masii’s notebook

僕がときどき投稿するDTM作品について、などの予定

泡沫のうた

春の幻想。原点回帰。

youtu.be

www.nicovideo.jp

 

ここのところ頭をよぎっていた「原点回帰」を具体化したのが本作です。

平たく言えば、初心に戻るというやつです。

本作みたいな感触の作品を初期に出してたかというとそうではないのですが、創作のスタンスが作るものそのものに向いているという意味で、創作を始めた時の意識に戻ったということです。

 

昨年は多作だったしそれはそれで充実してたのですが、実はどうやったらリスナーの方にいいと言ってもらえるんだろうということが気になってました。ありていに言えばウケることへの欲が出始めた。まあ、その気持ちを素直に受け入れて過ごすのが昨年のテーマだったというべきか。

ところがウケたいと思うとウケないという現実と真正面に向き合うことになりますよね(笑)
詞もなんだか創作に自虐的な内容に傾いていきました。詞はなんにも考えずに吐き出すので、その時の心情をまさに鏡のように映すわけで。
もちろん作った作品はそれぞれ思い入れをもって作ったもので大事な作品であることには変わりはないけど、余計なものを望んでしまう。

 

ワンラウンドやってみると、このテーマはなんかつらい(笑)
思えば、ずっとそんなこと無関係に作るものそのものにしか興味がなかったんじゃなかったっけと。
それで、原点回帰すべきなのではと思い始めました。

自分がいいと思うもの、聴きたいものを作る。技巧も流行も関係ない。そう思って切り替えて作ったのが、今作というわけです。

 

ちょっとだけ隣町まで冒険をしに行って家に帰ってきた子供という感じですかね(笑)

 

本作は、僕は自分でもかなり好きです。何回でも聴いてみたい。

咲里キリコさんのイラストともうまく合っている(イラストからインスパイアされている部分もあるから当然かもしれませんが)。

音楽的には平凡な作品なのかもしれないし、退屈ととられる方もいるかもしれないけれど、僕はこの世界が好きです。

 

詞についても少し。

春が到来してます。春は何度も来ますが、いつも、ああいいなあ、ずっと春だったらなあと思います。理屈じゃない気持ちよさ。惹かれていく。攫われていく。

それに原点回帰を重ねていて、ややこしいことを考えなくても春がいいじゃんと。ずっと探してたのはすでに知っているこの春の世界なんだ。と。

季節は巡るから春は去っていくけれど、創作の中ではどんな季節の音を奏でるかは自分次第なわけであって、ずっとそこに居続けることもできる。

 

そんな創作ができたらなという意図も込めた詞ですね。

 

ちなみに、僕の好きな(失礼ながら現時点はまだあまり有名でない)ボカロPさんたちが片手くらいいるのですが、皆自分の作品にはきちんと自信があって迷いがない。

いつかはそうなりたいなあと、春なので思ってます。

 

追記

音についても少し。

曲としては、まず間奏に出てくる琴のようなプラック的な音の部分からできました。元旦の日に作ったから和っぽいのかもしれません(笑)
そこからしばらく放置してからまたいつものように詞と曲を同時に作るやり方で作りました。

 

できるだけふわふわ浮遊感のあるかんじにしたくて音を選びました。ピアノとかストリングスは余韻があるかんじに。あと、地味にちゃくちゃくいっているのはギターのサンプリング音にディレイがかかってるかんじです。

 

今回はループ素材を割と使っています。実は年末くらいにloopcloudで3ヶ月で400円のキャンペーンがあったのできっちり3ヶ月だけ使いました(笑)

loopcloudはDAWと連動して素材確認ができるのが売りですが、それは一旦無視してある日に一気に好みの素材を購入する感じでした。特にノイズ、パーカッション系の素材ですね。この段階では本作に使うつもりではなかったのですが、制作中に思い出して、これらは特に後半のリズムが出てくるところに使いました。結局ループではなくて、スライスして切り貼りして使いました。

これは面白いなと思ったので今後も積極的に使うかもしれません。


それではまた。