午前零時
かなり好きです。
前回のブログで、泡沫のうたを作って原点回帰したと書きましたが、その延長での作品になったと思います。
肩肘はらない一筆書きのような作品。
音は少な目。
マティス相方のいつみさんにこの曲の素案を出したときには、長い時間かけてじっくり作る曲にしようということにしてました。
その後個人的に病気療養していて、再びこの曲に向き合った時に残りの部分がさらさらと最後まで展開し、当初はきっと5分くらいの曲になると思ってたんですが、あっさり3分強でフェードアウトしました。
これがこの曲のなりたい姿なんだと思ってこれで完成としました。
ちなみにフェードアウトという終わり方は初めて使ったかもしれません。
詞はいつもどおり曲と一緒に作りほぼ推敲なしで最後まで。
夜に自分と向き合ってしまいそうなときの歌です。
「刻み込んで忘れさせて」というフレーズがキーになりました。
詞に合わせてきりきりとメカニカルな音とか時計的な音を配しています。BPMは時計とあわせて60になってます。
できるだけ聴いていて気持ちいい音になるようにがんばってみました。
最後のらいららの後の歌はリバースです。日本語で歌っているのですが、あえて歌詞表示は英語にしてもらいました。
聴きなれた音楽も消えて
漂っている午前零時
機械仕掛けのように深く
刻み込んで忘れさせて
気後れて飲み込んだ言葉
溶かしこんで甘い香り
乾いていた笑いくしゃくしゃに
ゆるく許し撫でてあげる
疲れ果て辿り着く
あなたには何もない
震えても抱きしめて
暗闇は満たしてくれる
ら い ら ら
ら い ら ら
ら い ら ら
ら い ら ら
ら い ら ら
いつみさんの青い暗闇に浮かんでいるイラストと動画はイメージにぴったりでうれしいですね。
特に気に入ったのが、真ん中のゆかりさんがよく見ると微妙に動いて漂っていること。ほんとによく見ないとわかりませんが、実は結構位置が変わってる。
英訳詞ともとの詞が時計の針のように配置されるのもいいです。
ちなみにいつみさんに英訳をしてもらったんですが、もとの詞の意図を十分組み込んでもらえてて感謝です。
また詳しくはいつみさんがブログで触れられると思います。
過去作品でいうと、「時に佇む」という初期作品や「お伽」という昨年の作品と同じ系譜のものかもしれません。どちらも時間に対するメランコリックなテーマです。今作はよりシンプルに身近な生活の中での時間です。
原点回帰で今後もシンプルに僕は僕の世界を作品にしたいし、望みはそれ以上でもそれ以下でもないと思っています。
読んでいただきありがとうございました。