よるのうた
マティスとして今年3作目です。
itsmeさんの詞の世界観がすべてといってもよい作品です。
なので、まずitsmeさんのこの曲についてのブログをお読みいただくとよりわかりやすいかと思います。
今回は制作過程が普段と違っています。
詞先
コラボとしての詞先は初めてです。
単独で作詞作曲時は、詞(仮詞)と曲をほぼ同時に作るのが割といつものスタイルなのです。が、今回はitsmeさんに完全に先行して詞を作ってもらいました。
詞先で試してみようと言ったものの、もらってみればまったく想定してなかったテーマであり、また、冒頭の「蒸し暑い夜は、窓を開け寝や」の「寝や」というのは三重や愛知あたりの方言なので、これどんな世界??って(笑)
これどんな世界〜電車の音
以前にitsmeさんと電車の音の話はしたことがあります。
僕も出身がど田舎なので、静かな夜は何キロも先の遠くを走る列車の音がトトンタタンと聴こえてきたものです。
そして、そのころから年月も経ち、住んでいる場所も田舎ではなくなった今だって(このブログを書いている今だって)、空き地とかの関係で遠くを走る列車の音がきれいに聴こえてくるんです。
その音を聴きながら、ノスタルジックで田舎なかんじってどうしたらいいんだろうって曲の構想を練ってたところ、「まてよ、このまま電車の音を全面的に入れてしまうのってどうかな?」と思い付き、今作の原型につながっていきました。
メロディーをつけていく際にはゆかりさんに雰囲気にあわせてもらいました。いつもと違い、詞をつけたまま音符をいじってメロディーを調整していきました。
あと、サビの後半、ロングトーンが入るのですが、少し前作の「U」ぽいなと後で思いました。他の曲を並行でいくつか試作していたので気がつかなかったというのが正直なところ。でもまあ、自分の曲に似ている分にはいいかなーと、そのままに。
スカーレット池田さん
デュエットにしようといつ思い立ったか記憶がありませんが、itsmeさんのおすすめでUTAUのスカーレット池田さんを使わせてもらうことにしました。雰囲気に合いかつ不思議さもある独特の歌声です。
※この経緯は、itsmeさんのブログ見てください。
実際は、itsmeさんがスカーレット池田さんのメロディーの原案を作り、UTAUの打ち込みと調声をしています。
僕は途中経過で(UTAUのスキルがないので)一旦ゆかりさんに置き換えて、特徴的なところを使いながら、大きくメロディーを組み直しました(これはitsmeさん了承済み)。
※余談ですが、ゆかりさんの低音はもともといいと思ってましたが、さらに低くするとまた違う世界が広がると発見。別の作品でトライしてみたいです。
最終的なアレンジとミックス
今回はitsmeさんがミックスを担当してくれました。
はじめからそう決まってたわけではなく、一旦ミックス前の各トラックが出来上がった段階で分岐点がきました。
特にエレピの音の捉え方を発端に、itsmeさんと僕で感覚が違うことが分かりました。
itsmeさんはもっと優しい音でさらにシンプルがよい、僕は音はそのままがよくてともすればアレンジを加えていきたい。うーむ。
今回はitsmeさんの世界観が主導しているわけだから、itsmeさんの感覚に寄せるべきと判断し、ちょうどitsmeさんも単独作でミックスにチャレンジはじめたところなので、今作もミックスしてほしいとお願いしました。
その方向性にそって、いったん出来たエレピトラックから、(もともと、全音符的な伴奏ではありましたが、)ばっさりフレーズ類を削除しました。
itsmeさんの全体のミックスは優しくまるく、その世界観に収まっていきました。
結果、スキマが多く控えめなオケは、電車などの環境音(itsmeさんが加えた特別な音も含め)が聴こえやすく、コンセプトにあったものになりました。
今回itsmeさんの世界観を実現する上では最良のだったと思います。
※なお、僕がミックスをしたら、違う方向性へ持って行ったはずなので、良し悪しはともかく別の作品になってしまってたかと思います。
投稿
作成当初は、「マティス寄り道作」と銘打って、肩の力抜いた作品として、投稿先も絞るなどの話をしていましたが、本気度も高くなりフルの投稿となりました。
がんばったitsmeさんのアカから。
投稿予告は無しで、突然というのが今までと違ったところですね。
これは季節もの、ちょうどまだ暑く窓を開けて寝たいと思える頃には出したいなというところから、当日お昼過ぎに今日投稿がいいと判断したものです。
※実は僕は直前外出してて飲みも入っていたので、かなりコンディション厳しかったですが(笑)
そんなこんなで、ちょっと異色のマティス作。いつもなにかしら異色な部分があればいいなと思っているので、これもマティスの本道かと。
いつにも増して長く書いてしまいました。
もし、この作品を気に入ってくださればほんとに幸せです!